2022年陸マイルの旅

2017年から陸でマイルを貯めつつANA隠密修行をしたわたしの趣味の旅行(遠征)、買い物、グルメ、つれづれ日記。

運命の出逢いと、いいものを長く使うこと

普段わたしはあまり時計をしないんですが、20年くらい前に買ったアンティークの時計を持っています。

1970年代の時計で、もう40年くらい昔に作られた時計です。

何故か街の時計屋さんにポツンと、しかもセールで置いてあって、当時のわたしにとっては決して安い買い物ではありませんでしたが即決で購入しました。

風防に傷がついたのを取り替えたり、ベルトを交換したりして大切に使ってきました(あんまりしないけど)。

 

最近、日本ではなかなか手に入らない(取り扱いがないことになっている)ある時計がとても素敵で欲しいなぁと思っていて、NYの店舗では在庫があれば買えるので、NY行きをとても楽しみにしていました。

今日たまたま、時間があったので日本の店舗に立ち寄ってその時計について訊ねてみました。

各国の店舗で横のつながりがない事は知っていたんですが、万が一日本の店舗からNYの店舗に問い合わせと取り置きをして頂けたりしないかな?って思ったからです。

 

案の定、「申し訳ありませんが…」と言われた(想定内)ので、ついでにもしNYになかった場合帰国してから日本で手に入れる手立てはあるのかも伺いました。

すると、ベテランの時計担当のおじさまがわたしの欲しい時計について聞いて下さいました。

わたしもNYのそのブランドの商品ページを開いていたので、それを見せました。

時計担当の方は、そのページを2回確認してから「今、たまたまうちにあります。入ってきたばかりです。」と言いました。

 

日本では展示のみと聞いていたので、びっくりしていると奥から大事そうにその時計を持ってきて下さいました。

バンドの色も、時計本体の色も、全てわたしが欲しいものでした。

(バンドの種類や素材、色、本体の素材も何種類かある時計でした)

 

最初にわたしが話しかけて、おじさまに繋いで下さった女性の店員さんの方が目を見開いて「すごい!すごい!!」って興奮していました。

女性の喜ぶ姿って本当に可愛いなぁと、ずっと欲しかった時計を目の前にして頭がショートしていたわたしはぼんやりそんなことを考えていました。

 

「NYで購入されますか?」とおじさまに訊かれて我に返って日本での販売価格を伺うと、誤差の範囲でした。

一流のお店の店員さんは冷静に日本とアメリカでの販売価格の差を計算するわたしの小ささをゆったりと待って下さいました。

でも多少日本の方が高くても、欲しかった時計を目の前にして、しかも日本では手に入らないと思っていたものなのに連れて帰らないわけはありません。

20年前と同じようにわたしは即決で「連れて帰ります。これから出掛けるのでつけていきたいです」とお願いしました。

 

これを運命の出逢いと言わずして何と言えばいいのでしょう??

 

20年前よりも更に安い買い物ではありませんでしたが、わたしは運命の出逢いには逆らいません。

 

そしてちょうど今日はつけていたアンティークの時計を差し出すと、時計担当のおじさまが

「いいお品をしてらっしゃいますね。かなり古いものでしょう?50年くらい前でしょうか」

と、一目見てそう仰いました。

この方から購入しようと決めて良かったと思った瞬間でした。

デイトナでもサブマリーナでもなくて、地味な時計なのに大層褒めて下さいました。

とてもとても気に入っていて大事にしているものを褒められるのは存外に嬉しいことでした。

 

そして、今新たにわたしのものになろうとしている時計を見て感動しているわたしに、

「お客様が心から望んでいる商品と我々に用意がある商材が合致することは、販売をしている私どもでも1年にそう何度もないことです。商材の数が少ないですし、なかなか入ってきませんから。今日はとても良い日なのではないでしょうか?」

と言って下さいました。

 

欲しかったものと出会えたお客さんは、たいていその時無欲の方が多いとも。欲しい欲しいと血眼になっている時はたいてい出会えないんだそうです。

 

確かにわたしも、駄目元というか相談するために伺いました。しかも、いつもは丸の内に行くのにたまたま今日は違う店舗に立ち寄ったのでした。

 

お会計を済ませて、時計をつけて頂いていると最初にわたしが相談した女性の店員さんが戻ってこられて、自分のことのように喜んで下さいました。

わりとクールなイメージのブランドなのに、そんなに明るく素直に喜んで貰えて、わたしもすごくすごく嬉しかったです。

 

たぶん、わたしはもう時計を買うことはないんじゃないかな。

ふたつの時計を交互に大切に使っていきたいと思います。

 
その後そんなわたしの時計を、わたしがどんなに嬉しいかをわかってくれる素敵な友人との素敵な出会いもあり、とてもとても素晴らしく幸せな1日になりました。

 

わたしはもしかしたら、とても強運な幸せ者なのかもしれない。

そんなことを思いました。